副鼻腔炎手術(その1)

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3年前のCT画像

 

先月副鼻腔炎の手術をした。
その顛末の概略を記載する。

前史

私の副鼻腔炎歴は物心ついた頃からで70年程の歴史がある。
当時は蓄膿と呼んでいた。
いつも口を開け呼吸し、ボーッとしていて集中力がない。
親も気付いていたが命にかかわることでもないと病院に行くこともなく数十年を過ごした。
30年程前、拉致されたり強盗に会ったりして猿轡を噛まされたら手足も縛られているであろうから確実に窒息死するだろうなと思い至りそのような惨めな死に方はしたくないので手術を受けようと考えた。
当時の手術は口の上方(口蓋)を切開し、そこから膿等を掻き出すというやり方で痛み痺れ腫れ等半端ないものというのが定説でそれを考えると 手術しようという決心も鈍るものがあった。
次善の策として鼻詰まりの主原因である鼻茸だけを除去する方法があることを知った。
鼻茸とは鼻の中にポリープできのこのような形状をしているのでこの名前がある。
鼻の穴からリング状になったワイヤーを入れ鼻茸の軸に引っ掛けてワイヤーを絞り力任せに引っ張るという極めて原始的な方法であるがこれなら我慢できそうだというので手術することにした。
只この方法は対症療法的なもので、いずれ又鼻茸は出てくるらしい。

手術は町の耳鼻科医院ではやっている所がなく市立大学医学部付属病院で受けた。
当時は紹介状とか無くても直接行って診療してもらえた。
手術前日の入院で最短で3泊4日必要であると言われた。
手術は部分麻酔で30分ほどで終わった。
手術そのものの痛みより止血のため鼻の中にガーゼや綿球を鼻が裂けるのではないかと思うほど詰められた痛みの方がきつかった。
行き場を失った血は鼻の奥から口の方に出てきてその処理で一晩眠れなかった。
出血は自然に止まるのを待つしかないというこれまた原始的な方法であったが2日後には詰め物を取り出して翌日には退院できた。

以上が30年程の手術の話である。
全てのものに匂いがあり、全ての食べ物にはっきりとした味覚がある。鼻が通るというのはこのことかと感激したものである。
しかし所詮その場しのぎの手術である。徐々に鼻が詰まり始めてきた。
そして今回の手術となる。